客先常駐と派遣の違いとは?

一見同じことをしていても、契約内容によって違う。

客先常駐と派遣と聞いて、業務の実態は同じではあるのですが、なんとなく格差を感じてしまいますよね。
派遣については、いわゆる労働者派遣法に基づく「一般派遣」にカテゴライズされており、客先常駐については契約内容により「特定派遣」「業務請負」「偽装請負」と3種類に分別することができます。

一般派遣とは

一般派遣とは、派遣会社から労働力を提供し、現場では顧客の指示を仰ぐ業務形態です。
派遣会社は労働者派遣法にもとづき、必ず厚生労働大臣の許可が必要になります。

特定派遣とは

特定派遣とは、同じく労働者派遣法にもとづく「特定労働者派遣事業(16条派遣)」となり、派遣元企業に常時雇用される労働者を他社に派遣する仕組みです。必ず厚生労働大臣の届出が必要になります。
また、2013年年末に特定派遣事業を廃止する方針が厚生労働省から発表されています。
自社社員の労働力を提供し、現場では顧客の指示を仰ぐ業務形態です。

業務請負とは

業務請負とは、下請法に基づく契約の一種です。
自社から成果物を提供し、現場では自社の管理者の指示を仰ぐ業務形態です。

偽装請負とは

偽装請負とは、請負でありながら自社社員の労働力を提供し、現場では顧客の指示を仰ぐ業務形態です。

請負か派遣か

まず第一に、請負か派遣か、の違いがあります。
請負の場合、時間外手当などは発生しませんが、ソフトウェア・システム・ドキュメント等の成果物をコミットします。
一方、派遣の場合、労働力そのものの提供となるので、一般的には時給であったり人工(ニンク)といった考え方で計算します。よって、時間外手当も計算に入ります。

偽装請負が違法なポイント

偽装請負の場合、労働力を提供している前提で、請負契約をしている点が挙げられます。
これにより、時間外労働については都合よく「請負契約」で丸め込み、現場では顧客の指揮下に入る事で「派遣」を実現させています。
このため、派遣事業と何ら変わらないことから、違法性を指摘されています。

おわりに

一概に「派遣」「常駐」とはいえ、これだけ種類があるとは驚きですよね。
もちろん契約上の問題なので、なかなかクリアにしづらい部分もあるかとは思いますが、参考にして頂けると幸いです。

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客先常駐エンジニアのトラブル事例

客先常駐エンジニアのトラブル

客先常駐案件をすすめる上で、エンジニア同士のトラブルも多々発生します。また、そこに請負の構造もあり、顧客と常駐エンジニアの間で様々な格差も生まれています。
今回は実際の事例を踏まえ、どのようなトラブルがあるか考えてみましょう。

責任範囲の認識に差がある

「指示をしたがるプロパー」「指示を待たざるを得ない常駐エンジニア」という格差があります。
例えば、プロパー(顧客社員)からすると「もっと任せたい」と思っていながら、一方で指示を出しすぎる事により常駐エンジニアの自立性を奪っている場合が見受けられます。

エンジニアとして一人前になれない

エンジニアとしてその後伸びる見込みがあるエンジニアは、積極的に物事を聞いて取り入れていくのだと思いますが、大半はそうではありません。結果として、エンジニアとして一人前になれないまま時間だけが過ぎ去っていきます。
また、その顧客独自の「型」に染まった結果、つぶしが利かず他社に常駐した際にスキル面・環境面で苦労する場合もあります。

情報共有の制限がある

会社を隔てる関係上、メールやファイルサーバへのアクセスに制限があったり、配布物が貰えない、といった場合があります。また、酷い場合は常駐先のプリンタを使わせて貰えない、といった事例もありました。
個人情報保護法案や各種監査により情報の扱いがデリケートになる一方、なるべくメーリングリスト等で情報共有に努めるようにしている企業も多いですが、まだまだ不十分なようです。

給与・待遇に格差がある

常駐エンジニアの場合、上位の会社との請負契約に基づき報酬が支払われている関係上、噛んでいる会社が多ければ多いほど実際に給与として払われる金額は減っていきます。例えばプライムが60万円で契約している場合でも、自社での基本給は20万円といったことはよくあります。
また、勤怠面でも格差があり、常駐エンジニアは午前8:30~20:00まで仕事をしているのに、プロパーは10:00~18:00で定時上がり、という事も多くあります。

職場でのコミュニケーションに気疲れする

自社のエンジニア同士でも関係が希薄ななか、顧客や他社エンジニアとの折衝などがあり、気疲れする人も多いようです。
また、そこに顧客-請負の上下関係があるので、よけいにややこしいというのが実情です。

おわりに

トラブルはこれだけに尽きませんが、中には常駐先でのパワハラ・モラハラが原因でうつ病を発症するエンジニアも多いと聞きます。
いずれにせよ、環境に合うか・合わないかが境目となり、経験が浅いエンジニアには良い修行の場となりそうです。

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客先常駐エンジニアがチェックする将来のポイント

客先常駐は35歳を過ぎるとマッチングしなくなる

スキル見合いで見た時、スキルがあり若い人ほど安い為採用されていきます。
よって、ある説では35歳を過ぎると受け入れ先がマッチングしなくないり、客先常駐は難しいと言われています。
しかし、世の中には様々な会社もあり、当然良い企業もある為、いくつかのチェックポイントをご紹介します。

客先常駐と併せ、自社開発・請負・受託などの案件をこなしている企業

客先常駐では、顧客先の技術であったりマネジメント力に依存しますが、それとは別に自社内でそれらを完結できているか、という点になります。
これにより、客先常駐の案件が終わったとしても、自社開発の案件へシフトする事により、エンジニアとして長く働く事ができる為です。その為、自社に出戻った時に何かしらポジションがあるかどうかは重要なポイントといえるでしょう。

自社開発メインの企業

客先常駐メインの企業の場合、自社には数人しか残っておらず、ほとんどは自社に席すら無く客先に常駐している場合が大半です。
逆に、自社開発メインの企業の場合、自社に少なくとも開発エンジニア分の席は存在する為、多少の出戻りがあった場合にもすぐに仕事がある状態になりやすいです。

上司にあたる人物がエンジニア寄り

上司にあたる人物が、派遣営業・派遣コーディネータといった役回りの場合、「人月工数が埋まれば良い」と考えがちです。
一方、技術寄りの人物の場合、自身で要件定義や設計書の作成・実装といった部分を理解している故に、トラブルの際に非常に助けになってくれます。

上流工程(システムエンジニア・プロジェクトマネージャ)の経験が積めるかどうか

客先常駐の仕事で、システムエンジニアやプロジェクトマネージャといった上流工程の経験を積めるかは重要なファクターです。
これらは案件の中で、まずは要件定義を把握する所から始まりますが、20代で単純なテストエンジニアであったりプログラマといった役回りを続けた場合、キャリア的にそれ以上の成長を見込める事ができません。
また、30代になってくると、同じ会社のエンジニアの指揮をとったり、顧客と打ち合わせをして要件を取りまとめる、といったスキルも必要になります。

偽装請負や多重派遣といったグレーゾーン案件に関わっていないか

客先常駐は良い案件ばかりでもなく、偽装請負や多重派遣といったグレーゾーン案件であふれています。
これらの場合、客先で過酷な労働を強いられる割には、スキルが身につかない場合が多く、給与も低い事が挙げられます。
また、そういった企業では就業規則上「勤務時間は出向先企業に準ずる」といった表記になっている場合も多くあります。

おわりに

これらを抜け出すには、一次請け企業(プライム企業)であったり、ユーザー企業といったポジションを将来見据えつつ、今何ができるかをじっくり考えたほうが良さそうです。
もしかしたら今の常駐先に何かしら救いがあり、そこから学ぶ事もあるかもしれません。

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客先常駐エンジニアのメリット

客先常駐にはメリットもいっぱい

さて、偽装請負をはじめとして顧客先に常駐しての業務、通称「客先常駐」ですが、実はメリットもあります。
後述しますが、客先常駐に向いている人の場合はこれらのメリットを上手く享受することができ、より楽に業務をこなすことができるでしょう。

自社のゴタゴタに巻き込まれない

自社内でのゴタゴタ…たとえば人事面であったり、無駄な会議、人間関係といったものに触れることが無い為、常駐先の業務への集中を理由に会議などをキャンセルすることができます。
これにより、自社への帰属意識は薄れますが、常駐先の人間関係のみに集中することで、より仕事をしやすくなります。

コミュニケーション能力が鍛えられる

一般的に常駐先では、自社や顧客だけではなく同様に常駐している他社のエンジニアも居り、彼らと協力してプロジェクトを推める事がマストとなります。
その為、必要なコミュニケーション能力や営業力といった能力が必然的に鍛えられます。
また、これらのコミュニケーション能力は他の現場でも役立つ場合が多く、転職などの場合にスキルとしてアピールすることもできます。

プロジェクトで最新の技術に触れられる

プロジェクトには、早くて数ヶ月~5年程度参画する事になりますが、その間ずっと最新の技術や、一線の技術を目の前で見続ける事になります。
中小の企業ではとても導入できない機器やシステムを操作できる良い経験ですので、上流のエンジニアさんと仲良くなって色々教えてもらうと良いでしょう。

客先の福利厚生施設が使える

中小の企業から出向している場合、自社より顧客先の方が福利厚生面で優遇されている場合が多いです。
例えば、「社食があって、安い。食事に困らない。」「無料の自動販売機が使える」「オフィスにカフェがある」といった例が挙げられます。

おわりに-客先常駐に向いているタイプと向いていないタイプ

常に決まったオフィスで定型的な作業を続けるタイプのエンジニアには正直向かないのが、客先常駐という仕事です。社交性が少ないとストレスを感じるでしょう。
しかし、考え方を変え、そこでしか学べないスキルや技術を吸収し、次で大成するよう仕向けるエンジニアには格好のスキルアップの場となります。

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